最近、世界遺産検定2級に合格した私は、新たな思いを胸に抱くようになりました。
「教科書や写真でしか知らなかった場所を、この目で確かめたい。」
そんなささやかな願いが、いつしか確かな決意に変わり、私を”学びの旅”へと駆り立てました。
そして今回、私はタイのアユタヤへ旅に出かけました!
アユタヤってどんな場所?旅の前に知っておきたい基本情報

今回の旅の目的地は、タイの古都・アユタヤ。
タイの首都・バンコクから北へ車や電車でたったの1時間半。
アユタヤは14世紀から18世紀にかけて、400年以上もアユタヤ王朝の首都として栄えた由緒ある古都です。
その壮大な歴史遺産群が評価され、1991年にユネスコの世界遺産に登録されました。
歴史の授業で名前を覚えた程度で、正直「古い遺跡があるところ」という薄っぺらなイメージしかありませんでした…
が!!歴史や文化の背景を知ることで、単なる「石のかたまり」が、何百年もの「生きた時間の物語」に見えてくる。
そんな自分の変化を感じながら過ごした数日間は、私にとって「本当の意味での旅」のスタートラインになりました。
街のあちこちに点在する遺跡群は、かつての仏教寺院や王宮の跡地。
ビルマ(現在のミャンマー)との戦争によって多くが破壊されましたが、その「壊れたままの姿」がかえって時の流れを強く感じさせてくれます。
特に印象的なのが
- ワット・ロカヤスタ:巨大な涅槃仏で有名な場所
- ワット・マハタート:木の根に埋もれた仏頭が神秘的な雰囲気を醸し出す遺跡
- ワット・プラ・シー・サンペット:王宮内に建てられた格式高い寺院跡
私は世界遺産検定でアユタヤについて学んでいたとき、「ここには単なる遺跡ではなく、生きた”物語”がある」と感じました。
そして今回の旅で、その”物語”を自分の足で歩き、肌で感じることができたのです。
ワット・ロカヤスタ|横たわる仏像のやさしさに包まれて

最初に訪れたのは、全長28メートルの巨大な涅槃仏(ねはんぶつ)が静かに横たわる遺跡。
青空の下でのんびりと横たわるその姿は、アユタヤ観光のハイライトのひとつです。
初めて見る巨大仏像に圧倒されるかと思いきや、なぜか心がスーッと落ち着くような不思議な感覚。
仏様の穏やかな表情に見守られているような、あたたかな空気が流れていました。
可愛いお花とお線香を購入して、お祈りをしました。

世界が平和でありますように…
ワット・プラ・シー・サンペット|時を超えて伝わる王朝の威厳

アユタヤ歴史公園に佇むワット・プラ・シー・サンペットは、タイを代表する歴史的寺院のひとつです。
かつてはアユタヤ王朝の王室専用寺院として栄え、一般の僧侶は入れない特別な空間でした。
寺院のシンボルである三基の仏塔には、ボロムトライロッカナート王(1448~1488年)とその王子たちの遺骨が納められていたと伝えられています。
三つ並んだ仏塔は、今も静かな威厳を放っています。
「ここで何百年も前の王様が祈っていたんだなぁ」
そう思いながら歩くと本や映像で見たときとはまったく違う感動がありました。
ワット・マハタート|木の根に抱かれた仏頭

アユタヤといえばここ、というほど有名な景色。
木の根が長い年月をかけて仏頭を包み込んだ姿は、写真で何度も見ていたはずなのに、実際に目の前にすると息をのむほどの感動がありました。
ガイドさん曰く、なぜこのようになったのかは、未だにわからないとのこと。
自然と信仰が一体となった神秘的な風景に、ただただ見入ってしまいました。

多くの仏像が首を失っているのは、18世紀半ばにビルマ軍(現在のミャンマー)がアユタヤ王朝を侵攻した際の出来事に由来します。
1767年、アユタヤ陥落時にビルマ軍は寺院や仏像を無慈悲に破壊し、特に金や宝石が埋め込まれていた仏像の首部分を切り落として奪い去りました。
ガイドさんの話を聞きながら、その悲惨な歴史に胸が痛みました。
象の背に揺られてアユタヤを散策

少し迷いましたが、思い切って体験した象乗り体験。
高い位置からゆっくりと遺跡を見渡す時間は、「観光っぽい」と躊躇していた自分が恥ずかしくなるほど、豊かな体験でした。
決して乗り心地がいいとは言えませんが、楽しいこと間違いなし。
日本では、なかなか像に乗る機会なんてないですからね…
象使いさんとの簡単な会話や、のんびりと進む象の背中から見る景色は、旅の素敵な一コマになりました。
アユタヤ観光はツアーがおすすめ!

アユタヤ観光で特にお伝えしたいのは、個人旅行よりも「ツアー観光」がおすすめだということ。
私も今回は、現地ツアーを利用して大正解でした!

暑さ対策に効果的!50代の体にやさしい移動手段
5月のタイは気温が35度を超える日も珍しくない灼熱の季節。
自力でアユタヤへ移動してから広大な遺跡エリアを自力で歩き回るのは、50代の体には少々ハード。
ですが、現地ツアーなら空調の効いたバンやバスでの移動がメインなので、体力の消耗を最小限に抑えながら観光を楽しめます。
「あの遺跡も見たい、この寺院も行きたい」という欲張りな気持ちを叶えながらも、無理なく旅を続けられたのは、ツアーならではの恩恵でした。
知識豊富なガイドさんが物語を紡いでくれる
ツアーの最大の魅力は、やはり現地ガイドさんの存在。
歴史の教科書だけでは決して知ることのできない、アユタヤの生きた物語を聞かせてくれます。
「この仏像が壊れているのは、ビルマ軍の侵攻によるもの」 「王様は毎朝ここで瞑想をされていた」 「この遺跡には、こんな歴史があるんですよ」
そんな解説を聞きながら歩くと、ただの遺跡が目の前で「歴史」として息を吹き返すような不思議な体験ができました。
世界遺産検定で学んだ知識も、ガイドさんの話を聞くことでより深く理解できました。
効率よく回れて、旅の満足度がアップ
限られた時間の中で、アユタヤの見どころをしっかり押さえたいなら、ツアーが断然効率的です。
移動手段の心配なし、道に迷う心配なし、チケット購入の手間なし!
その分、遺跡そのものや自分の感情と向き合う「質の高い時間」に集中できました。
私は半日コースを選びましたが、体力に自信のある方なら1日コースもおすすめ。
いずれにしても、50代からの旅行では「効率」と「快適さ」のバランスが大切だと実感しました。
おすすめのツアーポイント
- 日本語ガイド付きツアーを選ぶ:細かいニュアンスまで理解できて満足度アップ
- 少人数制のツアーがベター:質問もしやすく、自分のペースで見学できる
- ホテルまでの送迎付きを選ぶ:疲れた体に優しい配慮
旅の疲れを最小限に、感動を最大限に!
それが50代からの賢い旅の楽しみ方だと思います。

旅先で思いがけず出会った「私の中の変化」

今回のアユタヤ遺跡を歩き回る中で、思いがけず心が揺れ動く瞬間がいくつもありました。
「時間」を感じる旅
何百年も前の人々が心を込めて建てたものを前にして、ふと思いました。
「自分の今って、歴史の流れの中では本当に小さな点なんだな」
でも不思議と、そう感じた瞬間にとても前向きな気持ちになれたのです。
「だからこそ、今この時間を精一杯味わおう」
そんな気づきは、忙しい日常では得られない、旅がくれた贈り物でした。
「静けさ」から聞こえてきた自分の声
にぎやかな観光地のバンコクとはまた違い、アユタヤの遺跡には不思議と静かな時間が流れています。
その静けさの中で過ごすうちに、普段は騒がしい日常に埋もれてしまっている「自分自身の声」が、少し聞こえてくるような感覚がありました。
「本当は何が好きなんだろう?」 「これからどんな時間を大切にしていきたいんだろう?」
そんな問いかけが自然と心に浮かんできました。
旅の記憶を深める「カフェでのひととき」
遺跡巡りで少し疲れた午後、小さなカフェでほっとひと息つきました。
店内では、地元の人たちが楽しげに会話を交わしています。
そんな日常のひとコマに溶け込みながら、ただぼんやりと時を過ごしているだけなのに、不思議と旅の思い出がいっそう鮮明に心に刻まれていくような気がしました。
「次はどんな場所を訪れようかな」そう思いをめぐらせるだけで、胸がワクワクと弾む…
そんな大切なひとときでした。
まとめ
世界遺産検定という小さなきっかけから始まったアユタヤの旅は、思いがけず深い内省の時間をもたらしてくれました。
古い遺跡に囲まれ、静寂の中で自分自身と向き合えたひとときは、かけがえのない宝物となっています。
子育てという大きな役割を終え、50代という新たなステージに立っている今、見える景色が以前とは違うことに気づきます。
これは単なる観光地巡りではなく、心の奥底を潤す「人生の旅路」だったのかもしれません。
まだまだ続く私の人生の物語。
これからも一日一日を大切にしながら、心ゆくまで旅を重ねていこうと思います。
新しい発見と出会いが、きっと待っているはずです!